うちの子は自分の気持ちをうまく伝えられないみたい。友達とのトラブルも増えてきたし、いじめに巻き込まれたらどうしよう…
言いたいことが言えない子に育ってしまったのは、親の私に原因があるのかもしれない
こんな風に感じているお母さんやお父さん、いらっしゃいませんか?
もしかすると、お子さんにアサーションを身につけさせたいけれど、その方法がよくわからないのではないでしょうか。
小学生の頃からアサーションを学ぶことで、自分の気持ちを適切に伝える力が身につきます。大人になって身につけるのは難しいですが、小学生の柔軟な時期なら自然と身についていくのです。
親御さんが一緒に学び、実践することで、お子さんは安心して自分を表現できるようになります。親の行動が手本になるからです。
まずは、日常会話の中で「Iメッセージ」を使うことから始めてみませんか。そして、お子さんの気持ちに耳を傾けて、共感的に理解してあげましょう。
記事の中では、アサーションの基本である「Iメッセージ」の使い方や、親子で一緒に練習する方法をご紹介しています。また、親御さん自身がアサーションを実践するコツもお伝えしています。
我が子の対人関係に悩むお母さんやお父さんも多いと思います。でも、あなたが手本となって一緒に練習することで、お子さんは変わっていけるはずです。
親子で学ぶアサーションで、お子さんの自己表現力を高めるヒントが満載ですよ。ぜひ参考にしてみてくださいね。
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小学生にアサーションを身につけさせるためのポイントとは?
小学生の頃からアサーションを学ぶことは、子どもの健やかな成長に大きく役立ちます。
自分の気持ちを適切に表現し、相手の気持ちも尊重する力を身につけることで、子どもは良好な人間関係を築くことができるようになるでしょう。
以下で、アサーションが小学生にとって重要なスキルである理由と、子どもの時期からアサーションを学ぶメリットについて詳しく解説していきます。
アサーションとは自分の気持ちを適切に伝えるコミュニケーションスキル
アサーションとは、自分の意見や感情を率直に表現しつつ、相手の意見や感情も尊重するコミュニケーション方法のことです。
自分の意見を言うのは恥ずかしい・・・
相手に合わせなければ・・・
こんな風に、自分の気持ちを抑え込んでしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、アサーションを身につけることで、以下のようなメリットがあります。
- 自分の意見を堂々と言える
- 相手の意見も尊重しつつ、適切に自己主張できる
- 建設的な議論ができ、良好な人間関係を築ける
- ストレスが溜まりにくく、メンタルヘルスの維持につながる
例えば、「この意見には賛成できない」と思ったとき、アサーティブな人は以下のように伝えます。
あなたの意見はよく分かりました。ただ、私としてはこの点については異なる意見を持っています。私の考えとしては……
このように、相手の意見を一度受け止めた上で、自分の意見を伝えるのです。
一方、自己主張が苦手な人は、「そうですね……」と同調したり、反対意見を言えずに不満を溜め込んだりしてしまいがちです。
アサーションのスキルを身につけることは、自分らしく生きるためにも、良好な人間関係を築くためにも重要と言えるでしょう。
小学生の時期からアサーションを学ぶ3つのメリット
小学生の頃からアサーションを学ぶことには、大きく3つのメリットがあります。
- 自己肯定感が高まる
自分の意見を言える喜びを知ることで、「自分はダメな人間だ」という否定的な自己イメージを持ちにくくなります。
アサーションを通じて自分を肯定的に捉えられるようになれば、自信を持って行動できるようになるでしょう。 - 良好な友人関係が築ける
アサーティブなコミュニケーションを取ることで、友だちとの健全な関係を築くことができます。
自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを受け止める。そんな友人関係は、小学生の心の成長を支えてくれるはずです。 - 将来的なコミュニケーション能力の土台になる
アサーションの基礎を小学生の頃に身につけておけば、その後の人生で、様々な場面で役立てることができるでしょう。
学校生活はもちろん、就職してからの職場での人間関係など、アサーションは生涯を通じて必要とされる力だと言えます。
ただし、小学生の段階でいきなり完璧なアサーションを求めるのは難しいかもしれません。
大切なのは、アサーションの基礎を少しずつ身につけていくこと。
親子で一緒に練習したり、学校での授業に取り入れたりしながら、子どもの成長に合わせてステップアップしていくことが大切です。
小学生の頃からアサーションを学び、自分の気持ちと向き合う習慣をつけることは、子どもの健やかな成長にとって大きな意味を持つのです。
親子で実践!アサーションを学ぶ具体的な方法
小学生の頃からアサーションを身につけるには、親子で一緒に練習することが何より大切です。
日常生活の中で、自分の気持ちを伝える場面はたくさんあります。そうした機会を捉えて、親子でアサーションのスキルを磨いていくことが、子どもの自己表現力を高めるカギとなるでしょう。
以下で、「 I メッセージ」の使い方、子どもの気持ちを受け止める方法、ロールプレイングの実践例について詳しく解説します。
「 I メッセージ」を使った自己表現の練習をしよう
アサーションの基本は、「 I メッセージ」を使って自分の気持ちを伝えることです。
例えば、友達に貸した物を返してもらえない時、
「返してよ!」と言うのではなく、
「私はあなたに貸した物を返してほしいと思ってるよ」
と伝えます。
「 I メッセージ」の形式は以下の通りです。
- 「私は〜」:自分の気持ちを主語にして伝える
- 「〜と思っています」:自分の考えや意見を添える
- 「〜してほしいです」:相手への要望を具体的に伝える
このように、「 I メッセージ」を使うことで、自分の気持ちを率直に、かつ相手を非難することなく伝えることができます。
親子で日常会話の中に「 I メッセージ」を取り入れる練習をしてみましょう。
例えば、親が子どもに
ママは、◯◯が宿題をきちんとやってから遊びに行ってほしいと思ってるよ。
と伝えたり、
子どもが親に
ぼくは もう少し遅くまで遊びたいと思ってるんだ。30分だけ延長してほしい。
と伝えたりする練習です。
大切なのは、親も「 I メッセージ」を使って手本を示すこと。親自身が普段から「 I メッセージ」を実践していると、子どもも自然と使えるようになっていくはずです。
子どもの気持ちを受け止め、共感的に理解することが大切
アサーションを学ぶためには、自分の気持ちを言葉にすることと同じくらい、相手の気持ちを受け止めることも重要です。
子どもは、親に自分の気持ちを受け止めてもらえた経験を通して、他者の気持ちを尊重することを学んでいきます。
まずは親が子どもの気持ちを共感的に理解する姿勢を示すことが大切。
子どもの言葉に耳を傾け、表情や声のトーンからも気持ちを汲み取るよう心がけましょう。
例えば、子どもが学校での出来事を話してくれた時、
- まずは子どもの話を最後まで聞く
- 子どもの気持ちを言葉で反射する
「嫌な思いをしたんだね」
「悔しかったんだね」 - 子どもの気持ちに共感する
「そういう時は誰でも嫌な気持ちになるよね」
「無視されるのはつらいよね」
このように、子どもの気持ちに寄り添って対応することが、子どもの自己表現を後押しすることにつながります。
親に思いを受け止めてもらえた子どもは、安心して自分の気持ちを表現できるようになります。
そして、自分の気持ちを大切にされた経験から、他者の気持ちにも気づけるようになっていくのです。
子育ての忙しさについつい子どもの話を聞き流してしまいがちですが、アサーションを学ぶためには、親が子どもの気持ちに心を傾ける姿勢を大切にしたいものですね。
ロールプレイングで具体的な場面を想定した練習を
アサーションを身につけるには、実際に使ってみる練習が欠かせません。
親子で一緒にロールプレイング(役割演技)をしてみるのもおすすめの方法です。
日常でありそうな場面を想定し、親子で役割を交代しながらアサーションの練習をしてみましょう。
例えば以下のような場面が考えられます。
- 友達に物を貸したが、返してもらえない場面
- 友達から嫌なことを言われてしまった場面
- 遊んでいて、友達とルールで意見が食い違った場面
場面を想像して、「 I メッセージ」を使ってセリフを言ってみましょう。
難しいと感じたら、まずは親が手本を示すのも良いですね。
親が子どもの立場で「 I メッセージ」を使ってみせることで、子どもにも使い方のイメージがつかめるでしょう。
ロールプレイングは「台本通りに話す」のが目的ではありません。
その場面で感じた自分の気持ちを、臨機応変に言葉にしてみることが大切です。
時には、子どもがアサーティブになれずに黙り込んでしまったり、攻撃的な言い方をしてしまったりすることもあるかもしれません。
そんな時は、
他に言い方はないかな?
どんな風に伝えたら良いと思う?
と投げかけ、子ども自身で考えを言語化できるよう導いてあげましょう。
ロールプレイングは楽しみながらアサーションを学べる実践練習です。
親子でさまざまな場面を想定して練習を重ねることで、子どもはアサーティブなコミュニケーションを身につけていくことができるでしょう。
子どもがアサーションを身につけるための親の関わり方3選
子どもがアサーションを身につけるためには、親自身がアサーションを実践し手本を示すことが何より大切です。
日常の何気ない会話の中で、親がアサーションを意識的に使うことで、子どもは自然とアサーションの大切さを学んでいきます。子どもの自己表現を認め、褒めることで自信につなげることも重要でしょう。
以下で、親自身がアサーションを実践する方法、子どもの自己表現を認める関わり方、日常会話でのアサーション意識の持ち方について詳しく解説します。
親自身がアサーションを実践し、手本を示す
子どもにアサーションを身につけさせるには、まず親自身がアサーションを実践することが欠かせません。
アサーションを教えたいけれど、自分では上手く使えていない・・・
このようなこともあると思いますが、完璧である必要はありません。親が努力して少しずつでもアサーションを意識することで、子どもに大きな影響を与えられるのです。
具体的な実践方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 「Iメッセージ」を使う
自分の気持ちを「あなたは〜」と表現するのではなく、「私は〜」と伝えるようにしましょう。例えば「あなたが約束を守らないから困る」ではなく「私は約束を守ってほしいと思っている」と。自分の気持ちに正直に向き合うことで、建設的な会話につながります。 - 自分の意見をはっきりと伝える
遠慮せずに自分の考えを伝えることを心がけましょう。「〜してもらえますか?」という依頼より「〜してください」とストレートに伝える方が、自分の意思を明確に示せます。子どもにも同じことを教えましょう。 - NOと言う練習をする
相手を傷つけずに上手にNOと言うことも、アサーションの重要なスキルです。「私は〜したくありません」「〜は私の価値観に合いません」など、理由を添えて断る練習を親子で行ってみるのもよいでしょう。
親が手本を示すことで、子どもは、
自分の気持ちに正直になることは大切なんだ
と学びます。 アサーションを体得した親の姿は、子どもにとって最高のお手本となるはずです。
子どもの自己表現を認め、褒めて自信をつけさせる
子どもがアサーションを身につけるには、自己表現への自信が不可欠です。
親が子どもの気持ちを受け止め、自己表現を認めることで、子どもは
自分の気持ちを表現してもいいんだ
と感じられるようになります。
子どもの自己表現を応援する関わり方として、以下のようなポイントが挙げられます。
- 子どもの話に耳を傾ける:
子どもが自分の思いを話しているときは、じっくりと耳を傾けましょう。途中で口をはさまず、うなずきながら最後まで聞くことが大切です。「そうだったんだね」と共感の言葉をかけるのもよいでしょう。 - 子どもの気持ちを言語化する:
幼い子どもは自分の気持ちをうまく言葉にできないことがあります。そんなときは、親が「嬉しかったんだね」「悔しかったんだね」と、子どもの気持ちを言葉にしてあげましょう。自分の感情を言語化するスキルは、アサーションにも役立ちます。 - アサーティブな表現を褒める:
子どもが「〜したい」「〜してほしい」と自分の意思を伝えたら、それを褒めましょう。「上手に言えたね」「自分の気持ちを伝えることは大切だね」など、自己表現することの大切さを伝えます。褒められた経験が、アサーションへの自信につながるはずです。 - 間違ったアサーションは優しく指摘する:
攻撃的な言い方や、自己主張が強すぎる表現は、アサーションとは言えません。そんなときは優しく指摘し、「こんな言い方はどうかな?」と代替案を提案しましょう。子どもの自尊心を傷つけないよう、言葉を選ぶことが大切です。
自分の気持ちが受け止めてもらえる経験は、子どものアサーションを育む土壌となります。 日頃から子どもの自己表現を認め、励ますことを心がけたいですね。
日常の何気ない会話からアサーションを意識する
親子でアサーションを身につけるには、日常の何気ない会話から始めるのが効果的です。
いきなり「アサーションを練習しよう」と構えるのではなく、普段の何気ないやりとりの中で、アサーションの考え方を取り入れていきましょう。
以下のような場面は、アサーションを意識するチャンスだと言えます。
- 自分の要望を伝える場面:
「このおもちゃが欲しい」「公園に行きたい」など、子どもが自分の要望を伝えるとき。
要望をストレートに伝えることを褒め、どうしてそれが欲しいのかを尋ねてみましょう。子ども自身が自分の気持ちと向き合うきっかけになります。 - 人に何かを頼む場面:
「〇〇を取ってもらえますか?」など、家族に何かをお願いするとき。 「取ってください」とストレートに頼むことで、自分のニーズを明確に伝える練習になります。 - 意見が食い違う場面:
兄弟げんかや、親子の意見が合わないとき。
お互いの気持ちを「Iメッセージ」で伝え合うことで、建設的な話し合いを心がけましょう。「あなたが悪い」のような非難の言葉は避けることが大切です。 - 人からの誘いを断る場面:
友達から遊びに誘われたが断りたいとき。 「ごめんなさい。今日は用事があるので遊べません」など、理由を添えてはっきりと断る練習をしましょう。遠回しな言い方は、かえって相手を傷つけることがあります。
大切なのは、あらゆる場面でアサーションの視点を持つこと。 普段の生活の中で折に触れアサーションを実践することが、子どものアサーション力を高める近道となるでしょう。
親子でアサーションを学ぶには、
- 親自身が手本となること
- 子どもの自己表現を認めること
- 日常会話の中でアサーションを意識すること
上記が肝心です。
これらを継続的に実践することで、子どもは自然とアサーションの大切さを体得していくはずです。 アサーション力を育むことは、子どもの豊かな人間関係づくりに役立つこと間違いなしですね。
まとめ:小学生の頃からアサーションを学ぶことで、自分らしく生きるための土台が作れます
今回は、小学生の親御さんに向けて、
- アサーションとは自分の気持ちを適切に伝えるコミュニケーションスキル
- 小学生の時期からアサーションを学ぶ3つのメリット
- 親子で実践!アサーションを学ぶ具体的な方法
以上について、我が子に「アサーションを身につけてもらいたい」と考える、筆者の思いを込めてお話ししてきました。
小学生の頃からアサーションを学ぶことで、自分の気持ちを適切に伝える力が身につきます。
それは、人間関係を円滑にするだけでなく、自分らしく生きるための土台にもなるのです。
親子で一緒にアサーションを学び、練習することが何より大切。
日常会話の中で「Iメッセージ」を意識的に使ったり、子どもの気持ちに耳を傾けたりすることから始めてみましょう。
これまで、あなたは子育てに悩みながらも、懸命に子どもと向き合ってこられたことでしょう。
そんなあなたの姿勢そのものが、きっと子どもにとって最高の手本になっているはずです。
子育ては親も子も一緒に成長する素晴らしい営み。
アサーションを通して、親子の絆をさらに深めていけたら素敵ですね。
小学生のお子さんを持つあなたが、今日から一歩踏み出すことを心から応援しています。
親子でアサーションを学び、自分らしく輝ける人生を歩んでいってくださいね!
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