子どもの気持ちがわからなくてイライラしてしまう…
ついつい感情的になって、子どもに八つ当たりしてしまうことがある
子育て中のあなたなら、こんな悩みを抱えているかもしれません。
でも大丈夫です。アクティブリスニングを実践することで、子どもの気持ちを理解し、穏やかな子育てができるようになります。
子どもとの信頼関係を築くために、アクティブリスニングを始めてみませんか?
この記事では、以下の3点について詳しく解説します。
- アクティブリスニングの基本的な心構え
- 親子の会話を深めるための具体的な実践方法
- 子どもの成長に合わせたアクティブリスニングの工夫
筆者自身、学童保育の職員として子どもたちと接する中で、アクティブリスニングの大切さを実感してきました。
ぜひ参考にして、子どもの気持ちに寄り添える優しい親子関係を築いてください。
子育てにイライラしがちな親必見!アクティブリスニングが親子関係を改善する
子育てでイライラしてしまう経験は、多くの親が持っているのではないでしょうか。
子どもの気持ちを受け止められず、つい感情的になって叱ってしまったり、子どもの話を最後まで聞かずに遮ってしまったり・・・
そんな時、アクティブリスニングを意識して子どもと向き合うことで、親子の信頼関係は大きく改善するはずです。
子どもの気持ちに寄りそい、親の思い込みを手放すことから始めてみましょう。
ここでは、アクティブリスニングについての基本的な理解を深めていきます。
アクティブリスニングとは?子どもの気持ちを受け止める聴き方
アクティブリスニングとは、相手の話を批判せずに聴き、相手の気持ちを受け止めながら理解しようとする聴き方のことです。
特に子育ての場面では、子どもの気持ちを汲み取り、子どもの視点に立って考えることが大切になります。
子どもの話に耳を傾け、子どもの表情や言葉の裏にある感情を想像してみましょう。
例えば、「お友達と喧嘩した」と涙ながらに話す子どもに対して、
そうかぁ・・・ケンカして悲しかったんだね・・・
と、子どもの気持ちを言葉にして伝えることが、アクティブリスニングの第一歩です。
否定や説教をせずに、まずは子どもの感情を受け止めて寄りそうことが重要
子どもの話を親の価値観で判断するのではなく、子どもの立場に立って共感することを心がけましょう。
子どもの気持ちを言葉で表現してあげることで、子どもは自分の感情を整理しやすくなるはずです。
アクティブリスニングを通して、
子どもの内面を理解しよう
このように努める姿勢が子どもに伝わります。
この積み重ねが、信頼関係を築く土台になります。
イライラする子育ての原因は、親の思い込みにあった
うちの子はわがままなんです・・・
全然言うことを聞かない子だ・・・
もしかしたら、こんな風に子どもを決めつけて否定的にとらえてしまうことが、イライラする子育ての原因になっているのかもしれません。
子どもの行動を頭ごなしに否定するのではなく、なぜそのような行動をとるのかを理解しようと努めることが大切です。
例えば、夕食の野菜を食べない子供に対して、
「好き嫌いが多くて困る子だ」
と決めつけるのではなく、
お野菜苦手だよね。どんな味なら食べられるか一緒に考えてみようか?
と、子どもの気持ちを汲んだ声かけをしてみましょう。
子どもの言動には、必ず子どもなりの理由があります。
親の思い込みを手放し、子どもの気持ちを想像することが、イライラしない子育ての秘訣と言えるでしょう。
親自身が、心に余裕を持つことも大切です。
完璧な子育てをしようと背負い込み過ぎず、ありのままの自分を認めることが、子どもを受け止める第一歩になります。
自分の感情に蓋をせず、素直に表現することで、親子の心の距離は近づくはずです。
親の思い込みを反省し、柔軟な姿勢で子どもと向き合うことを意識してみてください。
子どもの話を最後まで聴くことが、信頼関係を築く第一歩
子どもの話に耳を傾けるのは、なかなか難しいものです。
ついつい自分の話をしてしまったり、親の価値観で判断して口をはさみたくなるときもあるでしょう。
でも、子どもの話を遮らずに最後まで聴くことが、親子の信頼関係を築く第一歩なのです。
親からすると些細に思えることでも、子どもにとっては真剣に話したいことかもしれません。
子どもの話を最後まで聞くためには、忙しい時間を割いて子どもと向き合う姿勢が欠かせません。
今はちょっと忙しいから、後でも良い?
と、こんな風に言いたくなるときもあるかもしれません。
しかし、そのような時にこそ、
ごめんね、お母さん今忙しくて。でも、〇〇の話はとっても聞きたいから、これが終わってからゆっくり聞かせてもらっても良い?
と、子どもの話を大切にする気持ちを伝えることが大切です。
子どもの話に集中することは簡単ではありませんが、「子どもの気持ちをわかってあげたい」という意識を持つことで、自然とアイコンタクトを取りながらうなずいたり、相づちを打ったりしていることでしょう。
子どもの言葉をオウム返しに繰り返して、内容を確認することも効果的です。
〇〇ということかな?
と、子どもの話を要約して確認してみると、子どもは自分の気持ちを整理しやすくなりますよ。
話をさえぎらずに最後まで聴くことは、子どもを受け止めていることの表れです。
子どもの話に耳を澄まし、心を開いて聴く。
それが、親子の絆を深めるアクティブリスニングの第一歩であり、信頼関係を築く土台になるのです。
アクティブリスニングを実践する際の5つのコツ
アクティブリスニングは子育てに役立つスキルですが、正しく実践しないと逆効果になることもあります。
子どもの気持ちに寄りそうつもりが、一方的に話を聞くだけになってしまっては、信頼関係は築けないでしょう。
ここでは、アクティブリスニングを効果的に行うための5つのコツを詳しく解説します。
相づちや共感で子どもの気持ちに寄りそおう
アクティブリスニングで大切なのは、子どもの気持ちに共感することです。
子どもが話をしている時は、適度に相づちを打ちながら、表情や身振り手振りでも関心を示しましょう。
「うんうん」「そうだったんだね」と言葉で応じたり、うなずいたりすることで、子どもは自分の気持ちを受け止めてもらえていると感じられます。
また、子どもの表情や口調から感情を読み取り、「嬉しかったんだね」「悔しかったんだね」と言葉にして共感を示すことも効果的です。
共感的な聞き方をすることで、子どもは安心して自分の思いを表現できるようになるでしょう。
ただし、相づちを打つタイミングや共感の示し方には注意が必要です。
子どもの話の腰を折らないよう、話が一呼吸ついた時に相づちを打つようにしましょう。
また、共感も子どもの気持ちを代弁し過ぎないよう、さりげなく示すことが大切です。
子どもの話に耳を傾け、共感的な態度で寄り添う。それが子どもとの信頼関係を築く第一歩となるはずです。
子どもの言葉をオウム返しして内容を整理する
子どもの話を聞く際は、内容を理解するだけでなく、子ども自身に内容を整理させることも大切なポイントです。
そのための有効な手段が、オウム返しです。
オウム返しとは、子どもの言葉をそのまま繰り返したりすることを指します。
例えば、子どもが「友達に遊びに誘われたけど断った」と話したら、「友達に遊びに誘われたけど断ったんだね」とそのまま返すわけです。
また、「習い事があるから行けないと言ったら、友達は残念そうだった」と続けたら、「そっか、友達は残念そうだったんだね」と返すこともできるでしょう。
子どもの言葉を繰り返すことで、子どもは自分の考えを客観的に見つめ直す機会を得られます。
特に感情的になっている時は、自分でも何が言いたいのかうまく整理できないことがあります。
そんな時にオウム返しをすれば、子どもは冷静になって自分の考えを見直せるはずです。
オウム返しのコツは、子供の言葉を判断や批評をせずにニュートラルに返すこと
あなたの意見を挟まず、子どもの考えをありのまま受け止める姿勢が大切です。
子どもの言葉をオウム返しすることで、子どもは自分の気持ちを受け止めてもらえる安心感を感じるでしょう。また、子どもの考えを整理するサポートにもなりますよ。
開かれた質問で子どもの本音を引き出そう
子どもの気持ちを理解するには、「なぜ?」「どうして?」といった開かれた質問を投げかけることが有効です。
開かれた質問とは、「はい」「いいえ」だけでは答えられない、子どもに考えを促す質問のことを言います。
例えば、「学校楽しい?」と聞くのは閉じた質問ですが、「学校の様子を教えて」と聞けば、子どもは自分の言葉で学校の印象を話すはずです。
子どもの返答をよく聞いて、そこから子どもの気持ちを感じ取ることが大切です。
「友達と給食を食べるのが楽しい」と言えば、友達との時間を大切にしていることが分かります。
一方で、「勉強がちょっと難しくなってきた」と漏らしたら、授業についていくのに不安を感じているのかもしれません。
開かれた質問を重ねることで、普段は言葉にしない本音も引き出しやすくなります。
ただし、質問攻めにすると子どもに負担を与えてしまうので注意が必要です。
子どものペースに合わせて、ゆっくりと対話を進めていくことが重要
「どんなことを感じた?」「それについてもっと教えて」など、子どもの興味や関心に沿って質問することを心がけましょう。
開かれた質問を上手に使い、子どもの本音に寄りそえる親子関係を目指しましょう。
アイメッセージで親の気持ちを伝える
信頼し合える親子関係を築くには、子どもの気持ちを受け止めるだけでなく、親の思いを伝えることも重要です。
その際に役立つのが、「アイメッセージ」と呼ばれる伝え方です。
アイメッセージとは、「あなたは〜」と相手を主語にするのではなく、「私は〜」と自分の気持ちを主語にして伝えることを指します。
例えば、子どもが夜遅くまでゲームをしていたとします。
その時、「ゲームばかりしてダメだよ」と言うのは「あなたメッセージ」になります。
子どもは親に非難されていると感じ、反発してしまうかもしれません。
代わりに、「夜遅くまでゲームをしていると、私は心配になるんだ」とアイメッセージで伝えるわけです。
そうすれば、子どもは親の気持ちに気づけるはずです。
アイメッセージを使うコツは、自分の正直な気持ちを率直に伝えること
怒りや不安、悲しみといったネガティブな感情も、そのままストレートに表現して大丈夫です。
ただし、感情をぶつけるのは禁物
あくまで冷静に、落ち着いた口調で伝えることが肝心です。
アイメッセージを使うことで、親子の相互理解はぐっと深まるはずです。
子どもに一方的に指示するのではなく、親の思いをアイメッセージで伝える。
それが子どもを尊重し、親子で歩み寄る対話スタイルになるはずです。
親子の会話の場を日常的に作ろう
アクティブリスニングを活かすには、日頃から親子の会話の場を作っておくことが大切です。
子どもとの対話の習慣が根づいていれば、いざというときに子どもも心を開きやすいものです。
親子の会話の機会は、難しく考えなくても大丈夫!
食事の時間、通学の道すがら、休日の買い物中など、日常のちょっとした場面を活用するだけでOKです。
例えば、筆者は小2の息子と湯船につかりながら「今日はどんな1日だった?」「なんか楽しいことあった?」と話をしています。
夕食の支度をしながら「今日はどんなことがあった?」と話を向けるだけでも、十分に会話のきっかけになりますよ。
また、子どもの趣味や関心事について尋ねるのも良いでしょう。
最近はまっていることってある?
友達とどんな遊びが流行ってるの?
このように、子どもが興味を持っているトピックから話を広げられます。
大切なのは、子供が話しやすい雰囲気を作ること。
あなたが忙しそうだったり、ついスマホを見ながら話を聞いていると、子どもも心を開きづらくなってしまいます。
会話のさいは、子どもに視線を向け、子どもの話を聴くことを楽しみましょう。自然と表情豊かにリアクションしながら耳を傾けられたら理想的ですね。
子どもの話に興味を持つ姿勢を示せば、子どもものびのびと自分の思いを話せるはずです。
日々の何気ない会話を大切にしながら、子どもとのコミュニケーションを豊かにしていく。
そうした積み重ねが、信頼で結ばれた親子関係の礎になる。これは間違いありません。
アクティブリスニングで築く温かい親子関係
アクティブリスニングを家族全員で実践することで、お互いの気持ちを理解し合える温かい家庭環境を築けるでしょう。
子どもの成長段階に合わせて関わり方を工夫しながら、家族みんなでコミュニケーションを楽しんでいくことが大切です。
ここでは、家族でアクティブリスニングに取り組む際のポイントと、子どもの年齢に応じた実践方法について詳しく解説します。
家族みんなで実践してコミュニケーション力をアップ
アクティブリスニングは、家族みんなで実践することで、より大きな効果を発揮します。
親だけでなく、子どもや配偶者もアクティブリスニングの考え方を理解し、日常的に心がけることが理想的です。
家族全員が、お互いの話に耳を傾け、気持ちを受け止め合うことで、家族の絆はさらに深まっていくはずです。
具体的には、以下のような取り組みが考えられます。
- 食事中の会話を大切にする
食卓を囲む時間は、家族の会話を楽しむ絶好の機会。食事中だけはテレビを消して、家族の会話に集中するようにしましょう。何気ない会話の中から、家族の新たな一面が見えてくるかもしれません。 - 家族の話を最後まで聴く
家族から話しかけられた時は、できる限り、最後まで話を聴くことを心がけましょう。相手の話を遮ったり、うわの空で聞き流したりせず、しっかりと向き合う姿勢が大切です。「うんうん」と相づちを打ちながら耳を傾けることで、家族は安心して本音を話せるようになります。 - 子どもの意見を尊重する
子どもの話を真剣に聞き意見を尊重することは、子どもの自己肯定感を高めることにつながります。たとえ大人の考えと違っていても、子どもの発言を否定せずに受け止めるようにしましょう。子どもの考えを認めることで、自分に自信を持てるようになるでしょう。
このように、家族全員でアクティブリスニングを実践することで、家族のコミュニケーション力は確実に向上します。
日頃から何気ない会話を大切にし、お互いの気持ちを尊重し合う雰囲気を家庭に作ることが、温かい親子関係を築くための第一歩となるはずです。
子どもの成長に合わせて関わり方を工夫する
子どもとのコミュニケーションを円滑にするためには、子どもの成長段階に合わせて、関わり方を柔軟に変えていく必要があります。
年齢によって、子どもの理解力や表現力、興味関心は大きく変化するため、画一的な接し方では、子どもの心に寄りそうことは難しいです。
子どもの成長に合わせてアクティブリスニングの方法を工夫することで、どの年代の子どもとも良好なコミュニケーションを取ることができるでしょう。
具体的には、以下のような点に留意しながら、子どもとの関わり方を考えていくことが大切です。
- 乳幼児期(0歳~6歳)
乳幼児は言葉の理解が十分でないため、子どもの表情や仕草から気持ちを汲み取ることが求められます。スキンシップを多くして、子どもが発する喃語や片言に優しく応えましょう。子どもの興味を引くような表情やイントネーションを意識するのも効果的です。 - 児童期(7歳~12歳)
言葉でのコミュニケーションが主体となる時期です。学校生活で起きた出来事など、子どもの話に耳を傾けることが大切です。共感の言葉を投げかけたり、質問して話を広げたりしながら、子どもの感情を受け止めるようにしましょう。褒めることを惜しまず、子どもの自尊心を高めることも重要です。 - 思春期(13歳~19歳)
自立の準備が進む時期であり、親への反抗心が強くなることもあります。頭ごなしに叱るのは逆効果で、子どもの話に耳を傾け、気持ちを理解しようとする姿勢が求められます。批判や否定ではなく、子どもなりの考えを認めた上で、冷静に話し合うことを心がけましょう。思春期の子どもには、適度な距離感を保つことも必要です。 - 青年期(20歳以降)
子どもが自立に向かう時期であり、親子の関係も次第に対等なものへと変化していきます。面と向かって深い話をする機会は減るかもしれませんが、子どもの話に耳を傾ける姿勢は変えないようにしましょう。子どものプライバシーを尊重しつつ、必要な時には適切なアドバイスを与えることが、親の役割と言えます。
子どもの成長は十人十色であり、個人差が大きいのが特徴です。
個性や発達の度合いをよく見極め、それぞれに合った関わり方を模索していくことが肝要です。
子どもの成長に合わせて柔軟にアクティブリスニングの方法を変化させることで、どの年代の子どもとも信頼関係を築けるはず。
子育ては試行錯誤の連続ですが、子どもの心に寄りそう努力を続けることが、温かい親子関係につながるでしょう。
まとめ:アクティブリスニングで笑顔あふれる子育てを
今回は、子育て中の方に向けて、
- アクティブリスニングの基本的な考え方
- 子どもの気持ちに寄りそう聞き方のコツ
- 親子の信頼関係を築く会話術
上記について、保育士、放課後児童支援員、子育て中の父親としての経験を交えながらお話してきました。
アクティブリスニングは、子どもの話に耳を傾け、感情を受け止め共感することで、親子の絆を深めるコミュニケーション手法です。
子どもの気持ちを理解しようと努めることで、穏やかな子育てが可能になるでしょう。ぜひ、日々の何気ない会話の中で、アクティブリスニングを実践してみてください。
子育てに正解はありません。その時々で精一杯、愛情を注いできたあなたの子育ては間違っていません。
これからもアクティブリスニングを通して、子どもの感情に寄りそいながら、親子で心が通い合う喜びを感じていきましょう。
温かい家庭を築けるよう、心から応援しています。
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